相次ぐ三学期制の復活に関してはまた後で別途記事を書くことにして、やはり「私立中学」と「公立中学」の学力の違いがどこから生まれてしまうのかについて少々考えてみたい。
今回は東京都の公立中学校についてお話しする。
私立と公立では定期試験の回数から違う!
一般的な東京都の中学校は3学期制であるが、3学期制であってもテストの回数が違うことは知らない人が多いはずだ。私は東京都の私立出身なので、一学期に2回、二学期に2回、三学期に1回あるのが当たり前だと思っていた。それが実は、公立では一学期に1回、二学期に2回、三学期に1回で回数が1回少ないのである。
さらに、それに加えて、授業期間も異なる。三学期制の私立中学であれば一学期は5月下旬に中間テスト、7月上旬に期末テストでテストが2回。つまり、授業は7月上旬まである。これに対し、三学期制の公立中学は6月末に期末テストが1回のみで、7月は修学旅行などの行事や家庭訪問などの学校都合に消化されることが多いので実質7月はそれほど勉強していない。二学期制とも近い雰囲気を放っているが、果たして、テストが少なくて7月が学校都合で消えることが子供の学習にとって良いことなのだろうか?
一応二学期制についても比較で載せておこう。
公立三学期制、私立三学期制、私立二学期制の比較
- 公立三学期制=6月期末、10月中間、12月期末、2月期末。
- 私立三学期制=5月中間、7月期末、10月中間、12月期末、3月期末。
- 私立二学期制(実践女子の例)=6月中間、9月期末、(10月夏明けテスト)、12月中間、(2月冬明けテスト)、3月期末。
実は公立三学期制は、7月と3月が行事で消えるため、私立よりも授業時間が少なくなる。
私立の場合、2月に受験休みがあるのだが、大体の学校は受験休みという名前だけの休みで宿題が大量に出される上、一週間しかない休みの直後には単語テストや漢字テストが待ち受けており実質は課題をやらざるを得ない。私立の学生は皆、受験休みが嫌いである。こんなに短いくせにテストと宿題だけはきっちりあるので大嫌いなのである。
さて、二学期制は少々特殊だ。実践女子の例だと、一見テストが少ないようにみえるけれども、期末の前に夏期明けテストをやらず、10月に中間の代わりに行うなど気を抜けない仕組みになっている。冬期課題のテストは2月の受験明けにあり、やはり気を抜けない仕組みとなっている。二学期制は学校によって随分異なるので一概には言うことは出来ないが、公立三学期制よりはマシだろう。
試験の回数が少ないことはいいことなのか?
私の主観だと、「いいことではない」。
テストが少ない=嬉しいという子供もいるだろうが、試験回数が少ないと言うことは範囲が広いということになるのである。
範囲が広いということはそれだけ点数がとりにくい。先生の側からすると凄く楽なのだが、生徒の側からすると厳しい。個人的にはやはり、試験の回数が多くても良いから範囲が狭い方が良い。部活をやっている生徒にとっては、一週間前から真剣に取り組んで間に合うかどうかが重要なのである。
このように考えてみると、やはり公立三学期制の試験の時期や回数を見ると、子供のためというより学校都合でこのようになっているとしか思えない。当然、公立は私立に比べて問題も多く起きるしレベル帯もさまざまであるから、家庭訪問などは必須だろう。だとしても、もっと子供達に勉強させる工夫が必要である。家で真面目に勉強するような子供ばかりでないことは自明なのだから。