冬になったのに我が子の算数の偏差値がまだ40前後で嘆いている方は多いだろう。
そこで、最速レシピを提案しておく。
この方法は机上の空論では無い。私の塾講師人生の中で一応の成果を上げてきた方法である。
====
教材:ベストチェック算数
→算数ベストチェック―中学受験用 (日能研ブックス)
弱点診断テストを1つのジャンルだけ全てやる 例:数論
↓
各単元の出来具合を確認し、2/3以上間違えている単元は個別ページで復習する。
↓
個別ページは「必ず」左側の説明を読みながら右側の問題を解く。
※解きっぱなしにせず、間違えたものは出来るようになるまで何度も解く。
※わからなかった問題、勘で解いた問題は絶対に誰か分かる人に質問し、正しい解法を教わること!
↓
個別ページでの復習が終わったら、もう一度弱点診断テストで間違えた問題を解く
※勿論、解きっぱなし厳禁。
↓
次のジャンルへ
↓
全て終わったら、もう一度弱点診断テストの間違えたところだけ解き直す。
※勿論、解きっぱなし厳禁。
この方法には詳述しておかなければいけないことが2点ほどある。
1点目。
この方法は「弱点の分析」→「弱点の克服」→「克服できたかの確認」という段階に分かれている。参考書や問題集を買った後、親御さんによくある間違いが、子供の出来るところも全て「前から解かせる」。これは一番良くない。
なぜか?
答えは、効率が悪いから、に尽きる。
子供は大人よりも集中力がないし、やらなければならないという忍耐力にも欠ける。だからこそだらだらと無駄な所に割く時間は無い。とにかく出来ないところを出来るようにする。これはそれに特化したレシピである。
だから、ベストチェックを全てやりこむのではなく弱点克服のために使って欲しい。
つぎ。2点目。
成績の伸びない子供に多いのが「解きっぱなし」現象である。メモリーチェックなども「やっている」と言うクセに伸びないのはこれのせい。
できないところをそのままにしている。できるまで何度もやらなければ意味が無い。満点とるつもりで徹底的におぼえなければ意味が無い。
私は子供たちに小テストをさせるとき、最初、満点をとるよう呼びかける。勿論、抗議の声が上がるので、「じゃあ1問間違いまで許してあげよう。君たちはやれば出来る子で、しかも前もって出る範囲を勉強してきたんだからできるはずだよね?はい頑張って」と多少譲歩してやる。すると、子供は先生は(僅かだが)自分たちの味方なのだと思うし、間違えたとき悔しがるのだ。あと1点で合格だったのに、とか。
提示した条件に達しなかったのに簡単に許してはいけない。例えば、1問間違いまでといったのに半分も取れていなかった場合、容赦なく合格できるまで同じ問題をやらせる。どんな子だろうと3回やれば合格点に近付くことが多い。4回目で、2問間違いをしてしまって悔しがっていたら、流石に許してやってもいい。それは、彼らの努力を認めることである。最初から許してしまうのとは理由が違う。
これを繰り返していくと、子供達は最初から満点を狙っていかないと8〜9割の結果にはたどり着けないということを覚える。小テストで高い点をとるよう心がけた結果、別のテストで覚えたものが出て出来る。そして嬉しくなり、好きになっていく。
勉強が最初から嫌いな子供は居ない。
できないから嫌いになるのである。
できれば楽しいから好きなのである。
勉強は苦しいもの、そのように教えていないだろうか?
教えるということは、まず「ほら、簡単でしょ?楽しいでしょ?」とやってみせ、今度は一緒に同じ事を行い、一人でできるかどうかを見守ってやり、最後に「君ならばできるはずだ」と応援して側を離れてやるものだ。
苦しくて当然のものだと教われば勉強が嫌になる。どうしたらうちの子勉強しますか、と言っている親はまず自分の口癖を省みた方が良い。