同じ問題を解くのを嫌がる子供の心理

算数の基本問題についての解説をしていて、同じ問題を解くのを嫌がる子供がいるという話を書きました。

算数の基本問題シリーズが存在する理由についてはこちらの記事を参照

そうなのです、時々…わがままな子供に同じ問題を解くのを嫌がる子がいるんですね。

何でなんでしょうか?

ちょっと、インタビューするまでには至ってませんが、塾講師歴に賭けてわかる限りで書いていきたいと思います。

同じ問題を解くのを嫌がる子供(成績別)

大きく分けて2パターンですね。

できる子「わかってる問題繰り返しやるのめんどい…」
できない子「できないから繰り返しやりたくない…」

まずはできる子から説明しましょう。

できる子「わかってる問題繰り返しやるのめんどい…」

俗に言われる「頭はいいが計算ミスが多いヤツ」にあるあるのパターン。

  • 途中式を抜かす
  • 筆算せず暗算するのでミス多発する
  • 丸付けのときは間違っていたら答えしか書かない
  • 同じ問題を間違えるので繰り返しやらされる→面倒がる
  • ノートが汚い
  • とても読めない字を書くが改善する気が無い

まあこういうタイプに多いですね…。

特に男子に多いです。しかも日能研でいうM1~A2に多いですね。

彼らは、特に男の子なんですが、「この問題答え知ってるし!35gだろ!ほ~ら合ってた!やる意味ねーし!」と言い出すのです。

新しいおもちゃが欲しい子供と同じ感じはします。

ちょっと遊んでまたちょっと新しいの遊んで、は確かに楽しいです。

彼らは、沢山解くことで、出来なかった数から逃げようとしているようにも見えます。

出来なかった一問と徹底的に向き合うという重要な行為から逃げている。

私にはそう見えるのです。

さてこの「わかってる」と思い込んでいる連中ですが、正確にはこう言うことが出来ます。

「わかっているつもり」けど「点数に結びつかない」タイプ

こういう子供はかなり多いです。

やり方を聞くと教えてくれるので理解しているんだなとは思うんですが、実際解かせると答えが合ってる確率は半分くらいなんです。

こういう子供ほど、食塩水を天秤で解きたがるのです。

つまり、本質を理解していないということでしょう。

わがままなことに、同じ問題を解くのは嫌だそうなので、算数の基本問題シリーズをやらせるのも良いと思います。

しかし、買い与える前に必ず考えなければいけないことがあります。それは……

本当に理解していなければ数をこなしても意味は無い

ということなのです。

例えばですが、本当に理解できているならば半分も間違えません。

食塩水の問題であれば、少し複雑になったり三回四回水を交換する問題になっても、本当に理解できている子ならば一つ一つ図を書いて丁寧に順を追って処理します。

だから間違えるとしても計算ミスや勘違いになります。

しかし、わかっているつもりの子は、楽にやれるテクニックである天秤の技を使って基本問題をサクサク解いてきたため、ちょっと弄られると応用がききません。

ここについては、とにかく点数をとらせなければという底辺クラス講師の事情もあるのでなんとも言えないのですが…。

(本質を理解させるよりもテクニックを教えて基本だけできるようにしたほうが点数があがるのです)

本当に理解させるというのは難しいことなのですが、根本的解決のためにはやはり飽きるとかそういう前に身につけてもらうのが一番なんですよね…。

わがままだと問題すら解かないので、やらないよりはいいだろうということで算数の基本問題シリーズを買うというのもわからんでもないですが…。

 

できない子「できないから繰り返しやりたくない…」

まだこっちのほうが気持ちとしてはわかりやすいですね…。

人間誰しも、できないものや不得手なものを沢山やりたくないでしょう。それと同じです。

前者もこちらもわがままなことに変わりはないですが、こちらのほうがまだ本能的です。

できないものをやりたくないのは人間の本能ですから。

特徴としては…

  • 定規を使ってきれいにゆっくりノートを作ることが多い
  • マスに合わせてちゃんとノートを使うことも多い
  • できない問題があると手が止まる
  • できないと言わずに無言で時間を稼ぐ(!)
  • 話を聞いているように見えて、実は流し聞きしている
  • スピードが遅い

女の子に多いこのタイプは、出来ない問題を出来るようにする手間から逃げています。

出来ない問題を理解することから逃げてますが、それだけでなく、人に教えて貰った後、自分のものにするという練習をしていません

一方、得意な問題はやりたがって楽しそうにしています。褒められることは好きなのです。

人間の本能に忠実です。いいことです。

人間らしいではありませんか。

これが、小学生なのに、嫌いな問題に意欲的に取り組んで、嫌なことも我慢して頑張るいい子なんていう生き物だったら、むしろ子供らしくなくてびっくりします。

将来が不安です。いつか爆発するのでは?と思ってしまいますね。

できるまで繰り返せば自信につながる

こういう子の場合、繰り返しやるのを嫌がるのは、自分ができないものだから繰り返しやりたくないのです。

逆に、できるようになれば何度でもやってくれるし、「どうだ、偉いでしょ。全部あってるでしょ」って自慢してきます。

そこで、解決策としてはまず、出来なかった問題を解説します。

次に、どうやって解くのか、子供に解説をさせます。同じ解説ができなければもう一度教えてあげます。

同じ解説が最後までできるように繰り返し口頭で語らせます。

重要なのは「口頭で」です。文字に書くと時間がかかり、それだけで子供は疲れます。

最後に、類題を同じ手順で解かせます。

できたら、盛大に褒めてあげましょう。

そして、さらに類題を沢山解かせます。

できたら、「克服したね!やったね!」と我が事のように喜びましょう。

…追撃として、翌日でも翌週でもよいので、同じ問題をやらせてみましょう。

出来れば良いし、出来なくても、まったく出来なかったときよりは前に進んでいるはずです。

もし出来なかった場合は、インターバルを短めにします。一週間空くと忘れるなら、一日、三日など確認する間隔を狭めてください。

私は、中学生に「解の公式」を教えたとき、こういって帰らせます。

お風呂に入るときと出るとき、トイレに入るときと出るとき、解の公式を口で唱えましょう。

と約束します。

この単元ではこの公式を忘れたら終わりなので、とにかく日常生活で思い出す回数を増やします。

トイレの壁に年表を貼るというのもあながち間違いではないのです。

さて、ここまでやれば、もう同じ問題を解くのを嫌がるなんてことはありませんね。

だって、もう解くことができる問題ですから、喜んで解いてくれるはずです。

「●●ちゃん、この問題は得意だもんね!」→「うん!」と確認しましょう。