国語の偏差値を上げるための5つのコツ

国語の読解問題の点数が上がりません…

中学受験を想定して「国語」について書きたいと思うが、あまりに国語が出来ない場合、高校入試や大学入試でも使うことが出来る。

その1 最初に本文から読まない!設問に目を通せ!

中学受験だとあまり教えないかも知れないが、偏差値50未満の子によくあるのが「時間が足りない」。これを予防するため、まず「本文」から読むことをやめる。
邪道だ!とおっしゃる親御さんもいらっしゃるかもしれないが、読解問題を解き始める時には以下のような順番で行うと良い。

まず、「注」と「出典」を確認する。
確認することで、本文を読まずに大体話のネタくらいはわかる。

次に、「設問」に目を通す。
先に設問を見ておくことで、本文を読むときに何に気をつければ良いかわかる。

さらに、「本文」の長さと「設問」の量を考えて、どこで区切るかを決める。※
例えば3段落目まで読んで問4まで解こう、など。
途中で区切ることで、本文を読んだが時間が足りなくて設問を解ききらなかった、という最悪の事態を防ぐ。

区切りの残りを解いていく。不安なら3分割しても良い。

※実力のある子なら、区切る必要は無い。設問に目を通し、そのまま読みながら全て解いていけば良い。ただ、偏差値45未満の不器用な子の場合、途中まで区切って読んで区切って解く方がメリハリがついて集中できる。

その2 漢字・語句を確実に押さえろ!

基本的に超難関校以外の受験者は皆、漢字・語句を落とさないようにしているはず。ここで落としてしまうと、皆より4~10点低い状態でスタートすることになるので漢字・語句の練習を怠らないようにしよう。

大体の学校の入試問題では漢字一問2点と考えて良い。10問も出題されれば20点分になってしまう。合格者平均点が50点だとすると、約半分が漢字の点数という学校もあるのである。漢字を侮るべからず。

とはいっても、国語が苦手な子には漢字・語句が苦手な子が多い。ここは、とにかくやらせる!という方法もあるが、本人が嫌がって話にならないこともあるので工夫が必要だ。

・どうしてその漢字になるのか
・どのようにその漢字が出来ているのか
・どうしてその組み合わせになるのか

こういった「理由」「根拠」と一緒に覚えさせると良い。たとえ子供であっても、「こういうものなんだから、ハイっていって覚えるのよ」と理不尽なことを押しつけられたら嫌だと思うのが普通だ。普通なのだ。だから、子供の頭が納得するように教えてあげるべきである。

その3 文字数カウントミスをしない!

抜き出しで14文字とか、ヒドイ場合は32文字とか長いものもある。こういう場合、よくあるのが数え間違いである。

数え間違いを防ぐコツ!

5文字ごとにスラッシュをいれて区切って、余裕が有れば横に小さく5、10、15と文字を書いておこう。こうすることで、数え直す時も余裕ができるし、なによりミスしたときも発見しやすい。試験中焦ったときも、スラッシュが書いてあればどこから引用したのか確認しやすい!

その4 接続詞をマスターする

中学受験用教材の超序盤に登場する接続詞。大人は当たり前だと思っているが、大学受験では必勝テクニックとして必修である。この基本を「なんとなく」ではなく「しっかり」たたき込むことで、特に説明的文章においての正答率が向上する。

例えば…

「だから」「すなわち」などが来た場合、AだからB、のAが原因・説明でBが結果・まとめになる。
これが明確に分かっているだけで全然違う。

また、「しかし」「だが」が来た場合、AしかしBなら、AとBは正反対の内容になる。
当たり前のように思われるかも知れないが、穴埋め形式で接続詞を突っ込む問題を解く解きに大変役に立つ。空欄の前後が真逆の内容ならばこれらの逆接の接続詞を入れれば良いとわかるからである。

他にも、「さらに」と「そして」の違いが、正答率50%を分ける所だったりもする。大人でも「さらに」と「そして」の違いは区別し辛い…いや、曖昧にしかわかっていないのである。
問題は、「さらに」と「そして」の両方とも、「A、B、さらにC」「A、B、そしてC」の形が成り立つことにある。このような使い方を「付加」と呼ぶ。「付加」の場合、一般的には「さらに」が答えだが、「そして」が用いられることもある。例をみてみよう。

付加の例

ステーキ、しゃぶしゃぶ、「さらに」ハンバーガーまで運ばれてきた。

鳩山、菅、「そして」野田が民主党時代の総理大臣である。

こう見た場合、おわかり頂けるとおもうが、「さらに」というのは本当に「付加」なのである。ステーキやしゃぶしゃぶがあるのに、「さらに」ハンバーガーが運ばれてくるのである。

一方、「そして」は、上と形が似ては居るものの、どちらがメインでどちらがサブという差はなく、あくまで「並列」(あるいは「順接」)の関係にある。今回の場合、「そして」は「並列」であり「順接」である。彼らは皆、民主党時代の総理大臣という「並列」関係であり、順番は時系列順なので「順接」なのである。

というわけで、接続詞をきちんとマスターしておけば、A~Dの空欄のうち3つくらいは確実に押さえられ、点数になってくれるはずだ。もともと読解が苦手ならば、漢字・語句・接続詞でミスってはいけない。このあたりはセンスや才能が無くても点数がとれる貴重な設問なのである。

その5 本文から根拠を探して選択肢を絞り込む練習をする

大人の皆さんは当たり前だと思っているかも知れないが、子供は案外「これっぽい」という理由で選択肢を選んでいる。そうではなく、本文中の根拠をしっかり探して線を引くという練習をさせてほしい。

例題 「日本のめざましい発展」とありますが、その説明としてふさわしいものを選びなさい。

ア 日本は製品を輸入し、原料を輸出することで発展してきた。
イ 高度経済成長期に第一次産業が発展したことが大きい。
ウ 「加工貿易」とは、原料を輸入し、製品を輸出することである。
エ 発展の結果、機械工業中心からせんい産業中心になった。

この問題の正しい解き方は、本文とどこが違うかを探すことにある。

ア 日本は×製品を輸入し、原料を輸出することで発展してきた。
イ 高度経済成長期に×第一次産業が発展したことが大きい。
ウ 「加工貿易」とは、原料を輸入し、製品を輸出することである。
エ 発展の結果、×機械工業中心からせんい産業中心になった

このように、具体的に本文と違う所に線を引き、×をつけて絞っていけばおのずと答えは出る。「これっぽい」で解いている子に是非やらせてほしい。やらせる時は、クイズ感覚で「間違い探しをしよう!」と教えるのが良い。子供は楽しく真剣に本文とにらみ合う筈である。

 

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Sym
ベテラン塾講師です。
中学受験・大学受験・大学院受験は自分が一般入試で経験。

なぜ先生をしているかというと、その人個人に合った方法を探して「できた!」と喜ぶ姿を見るのが好きだからです。

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