先生たちの勉強法!「どうやって暗記してきた?」

やらない、できないに加えて、今回は「覚えられない」を扱いたいと思います。親自身が暗記が得意だった方、気合で暗記してきた方は、お子さんについて「とにかく覚えればいいのにやる気が無い」とおっしゃることが多いです。でも本当にやる気が無いが全てなのでしょうか?「とにかく覚えればいい」が違う可能性って、1%くらいはあるのではないでしょうか?今回はまず、先生たちがどう実践してきたかを紹介します。

先生たちに聞いてみた!「どうやって暗記してきた?」

ではまず、教えている先生たち自身はどうやって暗記を乗り切ってきたのでしょうか?

質問したこと
(1)地理・世界史や古典、生物などの暗記科目をどのように乗り切ったか
(2)英単語をどのように覚えたか

その結果、ある程度のパターンが見えてきました。

地理・世界史、古典、生物などの暗記科目

  • A「興味優先派」…雑学や小ネタ、語源などを多く取り入れて自分に興味関心をいだかせることで印象に残そうとするタイプ
  • B「赤シート派」…赤シートと緑ペン、オレンジペンを活用して、暗記箇所を隠して何度も繰り返して覚えるタイプ
  • C「見つめて覚える派」…写真のようにノートや教科書を頭に記憶して覚えるタイプ
  • D「回数こなして覚える派」…東大首席弁護士が教える超速「7回読み」勉強法にもあるように、読んで接する回数を増やすタイプ
  • E「問題を解いて覚える派」…問題集を解きまくることで身につけるタイプ

基本的にこんな感じにわかれました。しかし、最終的に満点を狙って徹底している人は上のタイプを全て取り入れた学習方法をとっています。

すなわち、

  1. (A)授業ノートや予習段階では興味関心・雑学を積極的に取り入れて好奇心を高める(ことで脳に印象づける)
  2. 復習用のノートやプリントを1つにまとめて、(B)赤シートや問題形式にしてチェックできるようにする
  3. 赤シートを(D)何度も行って、あのページのあの辺にあんな風に書いてあったはずと思い出せる(C)までやる
  4. 赤シートが完璧になったら、問題形式で問われても大丈夫なように問題集で演習を積む(E)

というわけです。

実際に私も大学入試のときはこれくらいやりこんでいました。定期試験でどうしても負けられない科目についてもそうですね。しかし、満点でなくてもよく平均点くらいでよい科目の場合は、3の段階が不十分で4まで至らないことも多くありました。私の場合は一般受験でしたので、学校の成績はそう大切ではなかったのです。それより模試でしたからね…

とある高校生の女の子二人は、世界史についてはひたすら問題集を解いて覚えていました。ノートをまとめるのがめんどくさいからだそうです。しかし、ノートやプリントで赤シートをやっている子よりも点数は低かった、なぜでしょうか?

それは、問題集だと、誰が戦争を起こしたか?と問われて、誰、は答えられるようになりますが、何年なのか、何戦争なのか、を覚えるようにできていないからです。これが厳しく作った赤シートですと、赤シートをかぶせると黒塗り教科書のようになります。■■は■■年に■■戦争を始め、■■の戦いで…という風に、もはや助詞しか見えるところはなく、全てを覚えることになります。なので、赤シートのほうが、どこが聞かれても大丈夫なまでに叩き込めるのです。

※関連・・・赤シートノートの作り方(写真付き)はこちらへ

英単語をどう覚えたか?

英単語になると少し様相は変わってきます。

  • とにかく見て覚えた派…ターゲット1900などを使っていたことが多い。英単語→日本語訳一個の練習をしていることが多い。大学受験はまあまあ強いが、院試レベルで詰むことが多い。
  • 単語カード・情報カード派…できなかった単語のみ徹底的に回数をこなす!を重視したもの。見て覚えた派と同じことをやると、できた気がしているのになぜか答えられない、が多発する人がこっちに流れることが多い。
    →ちなみに、情報カードを使った暗記方法はドイツの大学受験生の間でも定番の勉強方法です。
  • 例文ごと・フレーズごと暗記派…DUO、シス単、速単など。一単語一義の限界を感じるとこちらへ移行せざるを得ない。高校生のうちからこちらにきている人は上位者のみ。

まず、中学生ぐらいのころは、一単語を一義で覚えます。ですから、そういうものだと思っていたりしますが、英語の単語は違います。一個の単語に複数の意味があるのが当たり前なのです。Marchクラスになると定番の複数の意味も覚えていかなければいけないため、一単語につき一つの和訳ではやっていけません。

例)exercise=(中学)練習する / (高校)練習する・行使する

情報カード・単語カードを使って、複数の意味があることを覚えようとするのは効果的です。この間まさに、productionを生産だけだと思ってた子が、辞書を引いて「生産「量」もあるのかー!だからproductionで生産台数って訳になるのか…」といっていました。

例)表:production 2 ←2つの意味を答えろと自分へのメッセージ
  裏:生産、生産「量」

例文ごと暗記、フレーズごと暗記は究極の手段ですが必須です。大学受験くらいまでならまだ問題集も単語集もでていますが、そこから先になると本がないことも多く、こういう文章はこういう訳になった、という経験を積み重ねていくことになります。ですから例えば、TOEICの定番単語集の金のフレーズでもフレーズで紹介されています。どの場面で使用されたかで、単語の訳し方は大きく異なってくるのです。

 結局英単語を覚えるにはどうすればいいの?

どうすればいいか?それは、まず「試す」です。

私は「解いて覚える」と「例文やフレーズで覚える」と「赤シート」を合体させた勉強法が合っていました。
すなわち、長文のわからないところを赤シート化してフレーズに分解して覚えるのです。

しかし、人によって合う方法は本当に異なります。ですから、いろんな方法を調べて、聞いて、試してみて、自分に合うものを探すことが大切です。

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