漢字の書きと語彙力

国語の勉強って、難しいですよね。今回は、国語の勉強方法について掘り下げる前段階として、

どうやって自然と国語ができるようになっていくのか

について話していきたいと思います。

まず、その第一回目として、今回は

語彙力と漢字について

お話したいと思います。

国語力とは?

国語の力はいくつかの細かい力に分けることができると思います。

  1. 語彙力
  2. 読解力
  3. 論理力
  4. 共感力
  5. 推測力

こういったものに分けられると私は考えています。

語彙力

語彙力には、「知っている言葉の数」や「言葉の意味を知っているか」、そして「その言葉を活用できるか」が含まれます。

語彙力があるかどうかの確認はとても簡単です。

ひとつ単語を選び、その単語を使った例文や用例を作る

ようにお願いすればよいのです。

例えば、「猫の手も借りたい」であれば、「猫の手も借りたいほど忙しい」「猫のような仕事をしない生き物の手さえも借りたいくらい人手が足りない」のようなことが答えられれば良いのです。

大人であれば、業界用語や専門用語がでてきてしまうので、

そうではなくてなるべく一般教養の言葉から語彙力を調べる必要があります。

英語の学力で「語彙力がある」という場合、単語力と同義で見られることが多いです。

いずれにせよ、一問一答のように一語一義が答えられればそれでよしではなく、どんな場面でどう用いるのかまでの理解ができていなければ自分で正しく使うことはできません。

漢字は語彙力に含める?

語彙力の一部には漢字があります。

中学受験では漢字の読み書きが必須の技能となります。

漢字も語彙力ですが、漢字は先程の用例に加えて、正しい筆順と形を覚えなければなりません。

私は漢字の「書き」についてはあまり語彙力に含めたくないほうで、漢字力なる、別の基準を持って測るべきと考えます。

なぜなら、私大の理系の大学生によく見られる傾向として、

言葉の意味はわかっていて正しく用いることもできるが、

国語のテストから離れていたせいで漢字の書きが怪しいというものがあります。

アルバイトの一年生によく言っているのは

「自信のない漢字はスマホで予測変換して確かめてから書くか、辞書でひいてから書くように」です。

また、「自信のない漢字は別の書ける表現にかえて書くようにしなさい」です。

漢字はまず「読み」と意味から!

こういう話もあります。

ドイツ人は英語が話せますが、英語が書けません。

どういうことかというと、EUで国境がなくなって以来、共通語としての英語の必要性が高まり、

ドイツ人は都市部は皆英語が喋れるように教育されています。

ところが、そのドイツ人教師が英語を黒板に「書こう」としたところ、スペルがわからず、

英語をしゃべれない日本人学生のほうが正しい英語を「書けた」というものです。

しかし、どちらのほうが英語を使いこなしているかというと、喋っているドイツ人のほうなのです。

つまり、英語が正しく書けないならば語彙力はないというわけではないのです。

逆に言えば、語彙力があるけど漢字を書くのが苦手、もありうるのです。

漢字ができない、は「なにができない」を分析するところから

漢字の点数が取れない話はよく聞きますが、一概に語彙力がない、漢字ができない、でひとまとめにするのは、

今日の夕飯なに?ご飯よ、みたいな会話のようなもので、具体性がありません。

(前者は夕飯のことを白米がある前提でおかずを尋ねているのだが、後者は主食は白米であると答えている)

では、漢字ができない、を詳しく分けていくとどうなるのでしょうか?

  1. 単語を見て読みを答えることができる 例)約款=やっかん
  2. 単語の意味を答えることができる 例)約款=契約書などの条項のこと
  3. 漢字を正しく書くことができる 例)やっかん=約款

この三段階に分けられますね。

もうちょっというと、意味と書きの間に「活用」も入ります。

つまり、「約款」を使って例文を作れるということです。

「約款を確認する」「約款にもとづく」などです。

ちなみに約款は漢検準2級…高校前半レベルですけれど、読み書きができても意味を答えることができる人は少ないです。

これは、漢検では読み書きばかりが問われ、意味があまり問われないからです。

実務レベルでは書けないけど意味は分かる人が多いでしょう。

なので、学生の学習においては、最初の三段階を重視します。

意味を知っていても、使わないですからね、約款とか。高校生じゃ。

しかし、使わない言葉は忘れるのが人間の常。

使い方も一緒に覚えておいたほうが忘れにくくなるでしょう。

漢字が苦手な子には、まずは読みと意味を覚えてもらうところから始めましょう。

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Sym
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中学受験・大学受験・大学院受験は自分が一般入試で経験。

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