塾入会したての国語ができない子あるあるパターン5

国語の偏差値が30未満の新小5を何人か分析する機会があったので様子をまとめてみたいと思います。今の時期、中学受験も終了して、塾の入会をしたばかりの生徒さんが結構いるのでなかなか興味深いです。

一般的に現代文ができない人について

こちらの記事に詳しく書いてありますが、ある程度の年齢になってから現代文や国語が解けなくなってしまう・読み取れなくなってしまう場合には、テーマの理解不足や接続詞の意識不足が原因として挙げられます。

ところが、新小5となると、小学4年生なわけですから、テーマの理解不足や接続詞以前の問題に当たります。では、具体的にどういう状態にあるのか例を示したいと思います。

塾入会したての国語ができない子あるあるパターン5

その1:そもそも縦書きをするときのノートの使い方がわかっていない

超基本なのですが、みなさん国語のノートをとるときはどうしていますか?大体以下の2つのパターンのどちらかになります。

  1. 縦書き用のノートを使用する。
  2. 横書き用のノートを上下に使用する(ページが上下になるように)。

1の縦書き用のノートとは、右から左に縦で書くことを想定したノートです。つまり

こういうノートのことです。高校生の生徒で古文と漢文のノートにこれを使っている子がいました。賢いです。

もっと古めかしい雰囲気ですとこういうのも売っていますが、子供には不向きですね↓

では、普通の場合はどうしているかというと、学習塾や中学校でも基本的には、普通の横書き用ノートを縦に使います。つまり…

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このように、ノートの線が縦線になるようにして使うのが普通です。
日能研などの方眼ノートでも同じです。ページが上下になるように使用します。

ノートの使い方がわかっていないというのは、とりあえずノートを持参したが、いざ「書こうか」と言われても、どう使えば良いのかわからず、開いたまま放置したり、ひどい場合はわからないのでノートを開くことさえしません。塾ではまずノートの向きや文字の書く方向から教えなければいけない場合も出てきてしまいます。

その2:「第一回」「タイトル」「日付」などを書くことを知らない

さらに、塾に通ったこと無い子によくあるのが、「第一回」や「タイトル」、「日付」を書くことも知らないというパターンです。不思議ですが、塾に通ったことがなくても、ちゃんとこういうものを書く子がいます。おそらく、学校やご家庭でノートを作るときはタイトルを写すものだと習ってきたのでしょう。

ノートをとるときは、「どういった内容を」「いつ」受けた授業のノートなのかを明らかにする必要があります。そのために写すのだということを子供に教えましょう。

その3:文章を写す時に漢字をひらがなにして写す

これ、私は要注意だと思っています。

学校で習っていない漢字であっても、塾の文章の本文にあって、書き写さなければいけない場面であれば、漢字のまま写すのが基本です。そうでないと「抜き出し」の要件を満たしません。しかし、例えばこういうことをやってしまう子が居ました。

  • 元の文章1:「は、そうだとった」
    →写した文章:「ぼくは、そうだとおもった。」
  • 元の文章2:「日本人は外国人とべてしゃべらない、奥ゆかしいところが良いという考えがある。」
    →写した文章:「日本人は外国人とくらべてしゃべらない、奥ゆかしいところが良いという考えかたがある。」

いかがでしょうか。ポイントをまとめます。

  1. 「僕」は小学6年生までの学習漢字ではないようですが、抜き出しであればそのまま写さなければいけません。
    習っていないから書き方もわからないしひらがなで写していいと思っている?
  2. 「思」「比」「方」など、簡単な漢字はひらがなでも十分だと思っている
    習っているけどさほど重要な部分ではないので漢字でなくても減点されないと思っている?

わかりません。なぜそう写すのかはその人によるのでわかりませんが、推測です。
以前高校受験する子で9科目全てが5段階1の子がいましたが、彼が言うには「いままで漢字を正しく書きなさいといわれたことがなかったので、「難」の左下の横線の本数などは気にしたことがなかった。細かいところを覚える必要がなかったのでなんとなくぱっとみて形があっているように書いていた」だそうです。恐ろしい…。ま、まあ、ただこういう子はレアケースです。

例のようなことをやらかす子は、「本文が漢字なら写す時も漢字、本文がひらがななら抜き出すときもひらがな」「自分が書くときは、簡単な漢字でも漢字で書ける所は漢字で書く」という基本がわかっていないのだと思います。
どうか保護者の皆様、ご家庭でもここからきっちり教えましょう。塾で「漢字が苦手なようです」と言われるのは漢字が不得意なのではなくこういうルールを知らない可能性もあるのです。塾は、テストで漢字の点数が悪いから漢字ができないのだ、あるいは、漢字が書けていないから失点したと判断するからです。

その4:ノートを持っているのに解答をテキストに書き込んでしまう

国語より算数で多く見られますが、めんどくさいみたいで、特に男の子にあります。解答をテキストに書き込んでいる子は、先生に注意されるまでそれでいいと思っているみたいです。注意されると嫌そうに「その後の問題からノートに解き始める」のがポイントです。違うっての最初から写すんだよテキストに書いた答えは消すの!

極稀に偏差値65オーバーの天才少年で、一度解いた問題の答えは覚えてしまって役に立たないので何でも書き込んで消化しているような例もありますが、普通は同じ問題を何度も解き直すために解答の書き込みはさせません。

大体、こういう子には、「お家で解き直しをするために、答えはノートに書こうね!」と指導します。でも指導してる時ちょっとつらいです。ああ、ここからか…って気分にもなります。

その5:なんでも箇条書きにしたり、段落分けせずに書く

おそらく、ご家庭で親御さんがメモするときに箇条書きにしているのでそれを真似て身につけたのだと思います。文頭に「・」はついていますが、どんなメモでも全部「・」スタートで書き始めるため、ノートを覗いてみると全てが並列になっており、どこで違うことのメモになっているのかの区別が本人にもできません。

どういうメモになってしまうのか、メモの例をお見せします。
(メモの元は「Nカリキュラム国語5年前期 第一回 読解2」です)
どちらも、先生がヒントを2つ述べて答えを述べた場合のメモです。

<先生の授業中のセリフ>

「筆者はどう考えているのか、筆者の考えを答えなさい、とあるから、考えという言葉に注目して文章を見ましょう。今日最初に読んだ説明にものっていたとおり、最初と最後には筆者の主張が書いてあることが多いです。
じゃあまず最初をみよう。まず、一文目に、日本人はしゃべらないのがいいという考えがある、とあるね。一個目のヒントに、一文目、日本人はしゃべらないのがいいという考えがある、と書きましょう。ちゃんと本文をみて写してね。
次に、最後をみると、最後の文、はい、ヒント二個目が見つかりました、写しましょうね。最後の文、しゃべらない方が奥ゆかしくていいという考え方がある、です。2つ書けたかな?ここからまとめると、筆者は、日本人はしゃべらないほうが奥ゆかしくていいという考えを持っていることがわかりました。答えは、日本人はしゃべらないほうが奥ゆかしくていいという考え、です。

このような解説があった場合のメモを見てみると、

<良い例>

筆者の「考え」は?

ヒント
・1文目 日本人はしゃべらないのがいいという考えがある
・最後の文 しゃべらない方が奥ゆかしくていいという考え方がある

答え 日本人はしゃべらないほうが奥ゆかしくていいという考え

良い例では、ヒントだけを箇条書きにし、答えを別にまとめています。

<悪い例>

・1文目 日本人はしゃべらないのがいいという考えがある
・最後の文 しゃべらないほうが奥ゆかしくていいという考え方がある
・日本人はしゃべらないほうが奥ゆかしくていい

とりあえずメモをしたので、ヒントと答えが同列に扱われてしまっています。
しかも、最後は共通項のみをまとめたため「考えがある」という部分が消去され、「~ほうがいい」とまるで一般論のようにされてしまっています。ここではあくまで筆者の考えなので、「という考え」にしなければいけません。

いかがでしょうか。

さいごのその5のメモの取り方については、集団塾ならば口頭だけではなく、良い例のほうのメモを黒板に先生が書いてくれますから、それを写すことになると思います。
でも、写すのではなくめんどくさいから適当に省略して書いてしまおうとする子は、悪い例になってしまっている場合があります。そうすると、答えの最後に「考え」がついていないので減点されてしまいます。

どこまでは最低限家庭で身につけておくべきなのか?

家庭でも指導してください?そういうのを身につけさせるのが塾じゃないか!!とおっしゃる親御さんが時々いらっしゃる件についてお話したいと思います。
たしかに、その1(横書きノートの縦書きでの使い方)、その2(第一回やタイトルを書くこと、日付を書くこと)やその5(国語が出来ない場合は自己流ではなくまずはメモをなるべくアレンジせずに写すこと)は塾で指導することです。そこはわかります。

しかし、漢字をできるだけ漢字で書こう(その3)、という部分や、ノートを持っているのにテキストに書き込む(その4)はいかがなものかと思います。ここは最低限家庭で身につけてから塾に入ってほしいなあと思います。

きっと「僕」を「ぼく」で書いた子がオープンテストで偏差値26になっていたのは、そのまま写さなければいけないことを知らなかったのもあるのではないだろうか、と思いました。
※一番下のA1クラスでさえ、偏差値36くらいはあるのが普通の認識でしたので、26となると、すっごく相当とれていない…。

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Sym
ベテラン塾講師です。
中学受験・大学受験・大学院受験は自分が一般入試で経験。

なぜ先生をしているかというと、その人個人に合った方法を探して「できた!」と喜ぶ姿を見るのが好きだからです。

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