中学英語からの大学受験1 効果的な中1・中2英語のやり直し

私は自分のことを時々、教師ではなくて矯正屋、または、監視役なのではないかと思うことがある。子供達に教えることが仕事なのではなく、彼らが一人でもうまくやっていけるように、やる気を出させて監視して整えてやるところまでが仕事である気がしてくるのだ。それは一年だったり三ヶ月だったり、はたまた六年かかった大事業だったりする。

こういった私の業績の積み重ねを、将来自分がこの職場から抜けることを考えて、色々こういうときはこういう風にしたということを記録にしておかないといけないなと思い始めた。具体的な子供の名前やプライベートは個人情報の都合から書くことはできなくても、抽象化した指導体験談として記録することはできるだろう。私のような先生になりたいといって頑張っている元生徒たちの参考になればと、今回もまた記録を始める。

中学英語からの大学受験

さて、毎年、これは…すごいと思うような子供に出会うが(去年は偏差値35からの駆け込み八雲…)、今年も凄い子に出会ってしまった。中学英語からの大学受験ーー期限は1年間である。英検三級は持っているが、高校受験はしていてしていないようなものだったので…つまり、高校入試の勉強はなかったものとしてカウントすることになるので、まずは高校初級レベルの学力があるのかどうかをチェックしてみた。

英検は中高英語の良き物差し

3級は持っているとのことだったので、準2の過去問をやらせてみた。準2といえば、英語がよく出来る子は中3、進学校ならば高1には、遅くても高2の間にはとっておかなければ困るレベルのテストである。面接があるからと受けるのをためらう子が多いが、面接よりも筆記のレベルのほうが高いので、さほど面接を気にする必要は無い。というか面接で落ちる子などほとんどいない。緊張してしゃべれなかった、なら話は別だが。しかも、面接で落ちても、次は面接から受けられたはずだ。気にせず挑むべきである。

結果、半分くらい。つまり、今のまま(無勉強で)準2を受けても受からないと言うことである。

しかも、英検の場合、注意して欲しいのは、失点の原因が第1問に集中しているか、それとも第4問に集中しているかである。第1問で落とす子は過去問を買ってやりこめば受かる可能性が高いが、第4問で落とす子は間に合わない可能性が高い。なぜか…それは

英検の長文で落とすタイプ=危険

第1問で出来ない子は、単語を忘れているとか、文法を忘れているとか、そういう暗記ものを忘れているから失点している可能性が高い。つまり、覚え直せば良いのである。これに対して、第4問が出来ない子は、そもそも長文問題が解けない可能性が高いし、もっとまずいパターンはそもそも英文が読めていない可能性も高い。

センター試験でも、第4~6問が得意で第2問が苦手ならば見込みがあるが、第4~6が苦手で2が得意というタイプで安定した高得点を叩き出す例はなかなかみない。つまり、英語はなんだかんだ「覚え直せばいいもの以外で安定感が決まる」のである。

そもそも英語は語学なので、文章が読めなければ実用性は皆無だ。多少英検の第1問で死んでいようが、第4問はよくできていなければならない。

今回話題になっている子の場合、中学英文法が怪しいとのことだったので、いっそ高校英語ではなく中学英語からやり直すことにした。

効果的な中1・中2英語のやり直し

さて…彼は既に高2であるので、せめて高3になる前までには高校英文法をなんとかしておきたい。高2の2月に全統模試があるのでそこまでにせめて高校初級レベルにはしておきたい。こういう場合、残された時間3ヶ月で何の教材をどのように使うべきか…?

まずは出来ない部分の洗い出しから

自信が無いからといって全て最初からやり直すのは間違いだ。Forestを買って最初から読破しようとするくらい無謀だ。

市販教材ではないのが残念だが、「新中学問題集3年」の巻頭に「1・2年の復習」というものがあり、見開き8ページ程度で1・2年を総復習できる。まずはこれでどの単元が弱いのかを明確にすることが大切である。

さて、次に英単語だ。中学英単語の学習におすすめの教材は、

くもんの英単語1500である。下の日本語部分を紙で隠し、上の例文の中の英単語がどういう意味なのかを答えられるようにする。合っていなければ文頭に×印をつけておく。1周したら×のついているところだけやり直し、さらに出来なければ×をつけていく。×のついているものだけ最後は丸暗記すればよい。

この方法では英語→日本語しか確認できないので、マークシートでない大学を受ける場合は、スペリング(綴り)を学習できるものを取り入れた方が良い。

読んで理解する(インプット)→問題を解いて実践する(アウトプット)

出来ない部分を洗い出したら、そこの単元だけ、説明を読んでしっかりみっちり初心に返って勉強することだ。読んで理解して終わりということは一番やってはいけない。読んで理解してそれで点数がとれるのなら、現時点で中学英語のやり直しなどする必要がない成績であるはずだから。だから、読んで理解したなら、必ず問題を解くことをセットにしなければならない。インプットしたら、次はアウトプットして覚える。これが勉強の基本だ。

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