受験の季節ですね。今年も関わった子が定番の品女と八雲に合格しました。直接担当ではありませんが、過去問の進め方や弱点への対策に口を出したケースですので、参考程度にご紹介したいとおもいます。
過去問の方針
第一志望に対する意識は強かったものの、自分ができると思っているタイプではなかったため、すぐ「できない」「ヤダー!」という子でした。
なので、まずは偏差値の低い学校の過去問に取り組んでもらい、自信をつけていく形ですすめました。
10月頃から八雲と実践女子に取り組み始め、品川女子は12月を目安にしました。
本人には過去問の点数記入欄に点数を書き込ませ、自分がどれくらい成長したかが目に見えてわかるように管理してもらいました。
この作戦がきいたのか、しっかりと土台を固めて上に向かっていくようになりました。
算数への取り組み
算数の基本問題6年を使用して復習していましたが、苦手な単元はレベルBどころかAができません。
そこで、得意な単元はレベルBまで自力でできるかな?苦手な単元はまずAをしっかりできるようにしよう、というダブルスタンダードを取り入れてやる気のキープをはかりました。
品川女子の過去問に取り組む際は、大問2まで全問正解をした上で、大問3でとれるところをとり、4~6で途中点を稼ぐスタイルをとりました。幸い、大問1は間違えないタイプだったので良かったです。
ただ、4~6が安定しなかったので少々不安はありました。一日目は不合格でしたが、二日目でうまくいったようで、本当に良かったです。
社会への取り組み
社会が本当に嫌いで、なんで先生は社会が好きなの?どうやったら好きになるの?と質問されたこともありました。
冬期講習の時期に品川女子の過去問を解いてもらった所、50点中20点程度しかとれず、これはどう追い込んでいくべきか悩みました。
そこで、彼女の傾向を確認したところ、地理分野と公民分野の知識の抜けが見られることがわかりました。
地理分野
本科Ⅳと栄冠Ⅳを使用し、本科を見ながら栄冠の「地理分野の」基本問題の穴埋めを行ってもらいました。
工業では大変苦労していましたが、どうやら農業と水産業は得意なようでかなり合っていました。
基本問題の穴埋めが終わったら、問題研究から品川女子で出そうな形式の問題を選んで解かせました。
つまり、基本の知識を詰め込むだけでは品川女子には対応できないため、図やグラフ、出題形式に慣らす必要があったのです。
そして、品川女子の社会の特徴として、地形図が出る、というものがあります。
日能研教材ではなかなか地形図の練習ができません。そこで、新小学問題集ステージ1~3を使用して等高線や地図記号が含まれている地形図の問題を解かせました。
冬の時期に本科を見ながら穴埋めをするというのは本来ない話ですが、いままでそういった勉強をしてこなかったのです。
彼女には、「中学生になったら、本を見て説明読んで自分で探して埋めることができるかどうかで差がつくぞ」と教えて、本科から素早く答えを探す練習をさせました。
最初の内は時間がかかっていましたが、「これ超簡単、だって大問のタイトルとこっちのタイトルが一緒なんだもんすぐ見つかるし」とか、「ここにあるの見つけた、えらくない?」とか、ドヤ顔で自慢してくるようになりました。
そうです。それでいいのです。
そのうち、えらいねちゃんと埋めてあるし合ってるじゃん!と褒めたところ、「当たり前じゃん。だって載ってるもん」と返してくるようになりました。いままでは載ってても見つけられなかったのに、大進歩です。
彼女は中学以降も大丈夫でしょう。よかったよかった。
公民分野
公民は品川女子で、出るとは言っても少しだけです。
そして記述もあります。配点はあまり大きくありません。
得意であれば得点源になりますが、苦手だと範囲が広すぎるためどうしようもない。
というわけで、基本的なものを間違えない、記述は無理にマスターさせない、地理と歴史で確実におさえて公民は基本用語を覚える程度にまとめました。
ちなみに、「野党とはなんですか、説明しなさい」という問題がでた年もありました。
彼女は野党ってなに?な状態でしたので、そもそも無理でしたね…
理科への取り組み
割と理科はマシなほうではありました。社会よりはマシです。
ですから、メモリーチェックと理科の基本問題を中心に行い、過去問でできなかったところはその二つ及び日能研教材に似た問題がないかをきちんと確認してもらい、類題で復習するスタイルをとりました。
最後に
大人も嫌がるような4コマ授業をみっちりやって、ヤダヤダいいながらなんとか第一志望に合格できたようです。
中学生になったらどんなことがやりたいのでしょうか。今度会ったら楽しい話を聞かせてもらおうとおもいます。