中学入試に特に多いが、近年高校生や大学生にも多く見られるようになってきた「漢字ミス」。これについて分類と対処法を書いてみたいと思う。あくまで自分の主観である。
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なぜそんな漢字も書けないのか?
大人になると、子供達がなぜそんな漢字も書けないのか、なぜそんな漢字も間違えるのかと疑問に思ってしまう。自分が出来なかった頃のことをすっかり忘れて、である。
私は漢字の読みは得意だが書きが苦手で泣、嫌々問題集を回した覚えがある。今でも正直漢字の書きは得意ではないが、人前で間違えることはほとんど無い。
時折、なぜこの人はこんな漢字を間違えるのだろう?と思うことがある。長らく、小学生から大学生(!)までの漢字ミスを眺めてきて、人前で漢字ミスをする人の共通点がわかった気がする。彼らは、正確な漢字が書けないことを恥ずかしいと思わずに生きてきてしまったのである。
だから、間違えてしまったとき、次から気をつけようと思っても本気ではないし、ああそうかなと思って流してしまうのである。やはり、幼い頃から厳しい親や先生に躾けられ泣かされながら漢字を書いてきた子は大人になっても間違えないし、そもそも中学生や高校生の時点で漢字能力は完成されていることが多かった。
精神論を言っていても仕方が無いので、次に、具体的にどのように心がけるとミスが減るのかを解説する。
漢字ミスをする人のパターンを分けてみた。
A,同音異義語や部首違いを書いてミス
B,似た字を書いてミス
C,本数や点が違うことが多い
D,意味不明なミス
まず、Aの「同音異義語を書いてミス」パターン。
これは、漢字を音で覚えて、「意味を考えていない」から同音異義語を書いてしまう。部首違いもよくあるミスだ。このタイプの場合、意味を考えるようにすることで大きく改善されるだろう。
次、Bの「似た字を書いてミス」パターン。
これは、漢字の見た目…つまり形やイメージでなんとなくこういう感じ、と覚えているから間違えるパターンである。経験則から導き出しているのでそれなりに合ってはいるが完璧では無い。やはりそこは「音」と「意味」を添えていくとよい。
そして、Cの「本数や点が違うことが多い」パターン。
これは、男の子に多い。適当にやっつけ仕事で漢字ドリルを消化した結果、細かい所を覚えなかったツケである。彼らは大体、スピードがある。しかし、正確性に欠ける。とめ・はね・はらいをきっちりやっていないことも多い。こういう間違いが多いならば、まず、文字を書くときの心構えをどうにかするほうが良い。とめ・はね・はらいをはじめとして、…例えば、くにがまえを左下からぐるっと書くのはやめよう。
最後に、Dの「意味不明」パターン。
もうこれは言うまでも無い。ここまでの集大成なので、最後のまとめで一緒に解説させてもらう。
まとめ。
漢字ミスを減らすためのまとめ
漢字を覚えるときに以下の事に気をつける。
・正確な「音」
・漢字や熟語の「見た目」をイメージできるようにする
・熟語の「意味」と使う漢字を結びつけて考える
・漢字を書くときは、日頃から、とめ・はね・はらいを始めとした細かい部分に気をつけて書くようにする
※そして、自信のない漢字は辞書を引く癖をつけましょう。
読むと当然のことだと思う人もいるかもしれない。
だが、忘れないで欲しい。この世の中、ある人にとって当然のことは、他の人にとっては当然では無いことのほうが多いのである。目の前に漢字を間違える人がいるのだとすれば、「修行が足らない!各漢字10回ずつ書け」などと強要してより漢字を嫌いにさせる前に、この4点に気をつけているかを問いただしてみた方が良い。