子供の持つ才能の見つけ方と才能の例

前の記事で才能×努力±運というお話をしました(→まだ読んでない方はこちらからどうぞ)。今回は軽くですが、才能とはどんなものか、そして才能を伸ばすにはどうしたらいいかを考えていきたいと思います。

今回の記事で言う「才能」とは

前提となる式が「才能×努力±運(+コネ)」だとします。では、努力と運とコネでない部分が才能なのではないでしょうか?

努力にあたるものは?

  • 勉強時間
  • 復習回数
  • 予習
  • 教科書を読み込んだ量
  • 模試を受けた回数
  • 授業を受けるときの熱意

などなど、「数量でわかるもの」が努力には多く含まれると思います。

つまり、才能をもっているもっていないを別としたとき、万人に共通して「できること」はなにかということです。

これが努力にあたると思います。

例えば、天才バイオリニストであろうと、始めたばかりの初心者だろうと、練習時間や復習回数は取ろうと思えば同じだけとることができます。

才能にあたるもの

  • 何回説明を受けると正確に理解することができるか
  • 何度復習すると満点をとることができるか
  • 一度聞いただけでどこまで覚えることができるか
  • 一度見ただけでどこまで記憶することができるか

などなど、「ある一回」「ある範囲」と条件をつけたときに、どれくらいの量を習得できる・理解できるかというところ、

また、どうやったらそれを上手に身につけることができるのかの部分が才能だと私は思います。

才能の例

例1:一度読んだ現代文の文章は答えまで覚えてしまっていて復習にならない

とても読書が好きな女の子です。一度解いた文章はオチまで覚えてしまっていて、問題の答えもわかってしまっていて、復習にならないそうです。

そして、ノートは目を閉じると右にかいてあったか左にかいてあったかも思い出せます。恐ろしい才能です。

これは間違いなく彼女の「見る」「読む」に関する才能なのです。

ところが、彼女も「聞く」の才能は凡人レベルだったようで、「一度聞いたリスニングが全然メモできていないんです、片っ端から忘れていってしまって!」と泣いていましたが、

私「それが普通だよ??」です。

結局彼女の場合は国語は無勉強でも偏差値65くらいとれてしまい、一度解いた問題は役に立たず、とにかく新しい問題を解いて練習する以外ありませんでした。

例2:(積み重ねた努力の結果)勘が当たる

彼はもともと有能な子でした。しかし、自分の有能さに少々おごっていて、なかなか点数がとれなくなってきたとき、困っていました。

「俺、これだって思ったやつのほうが当たるんです。考えたときより」

これは別に答えを見抜く才能があるわけではなかったのです。彼は努力の結果、直感という力に変換するところが優れていただけなのです。

つまり、努力する→努力して覚えたものが、次からはなんとなくこっちのような気がするという勘として彼を導いていたのです。

例3:自分を追い込むのが上手

彼女はやる気を出すのが上手でした。いつもプリントを緑チェックペンで塗りつぶして黒塗り教科書状態にしていても、気合で覚えきっていたのです。

なぜそんなにやる気が続くのかと聞いてみたところ、彼女はとても妄想が得意で、「ここ、あの話と関係があるな~フフフ」と一人で楽しむことができていました。

また、良い点数をとって先生に自慢することも趣味の一つだったので、とてもやる気を出すのが上手だったのです。

楽しむことが上手、これもまた才能の一つでした。

例4:勉強量を苦としない才能があった子

不思議なことに、とてもしっかり勉強している子でした。それなのに、勉強が苦ではなかったようです。よくわかりません!彼女はとっても天然だったのです。

昔から、「へえ~!すごい!」「そうなんだ~!」と素直にいろんなことを受け入れられるタイプだったので、間違えた問題を身につけることが上手でした。

おそらく、その素直さが勉強が苦にならない動力源だったのだと思います。

例5:個性的な独自の観点を持っていた子

好きなものにはとても深い見識をもっていましたが、例3や例4と真逆で、嫌だなと思ったことは全然身につかないタイプでした。

それも、何度も解いても体が拒否してしまって身につかないのです。いやだけどやらなきゃと思っていたから、体も拒否していたのです。

たくさん勉強量をとっているはずなのに、なぜかできるようにならない。それでも彼女は自分のやり方にこだわっていました。

もしかすると、彼女に必要なものは、固執しない柔軟さだったのかもしれません。譲らない強さがマイナスに働いてしまったのかもしれません。

才能の見つけ方

まず、どんな才能があるのかを見つける方法をお教えします。

私達塾講師は、生徒を見る時、単純に問題ができたかどうかではなくて、どのように解いたかも見ていきます。

その解き方の癖、正解する問題の傾向をみると、子供の持つ才能がわかることが多いのです。

才能を見つけた例:とても山手線ゲームが得意な子

彼女は最初は集団の中でぱっとしませんでしたが、国語の時間に才能の片鱗が見えました。

あるジャンルの単語をどんどん出していくという遊びをしていたところ、彼女だけポンポンとずっと単語がでてくるのです。

他の子がギブアップしても先生と競い続けるくらい豊かな発想力をもっていました。

もしやと思い、その才能を褒めて、漢字についても連想するというテクニックを活用して指導したところ、一気に点数が伸びました。

算数も、他の子と同じやり方ではなく、基礎から学んだ後、それを活用できる問題を解くという

「連想」を活用した学習法

で、小6の冬に偏差値を20近く伸ばすことができたのです。

山手線ゲームが得意→連想が得意→勉強にも連想を活かす!

という作戦がうまく行った結果でした。とても素敵な発見ですね。

保護者の方への課題

勉強だけではなく、子供はどういうことが得意ですか?どういうことが好きですか?

例えば、ゲームが好き、ではなく、どんなゲームが好きかまで書き出してください。

  • ゲームが好き
  • 特にRPGが好き
  • RPGゲームの中の単語はすぐ覚える
  • 魔法の属性はすぐ覚える
  • どこの街でどんな装備を売ってるかすぐ覚えてしまう

など、ゲームが好きでもどんどん広げていくことができます。

また、例えばスポーツでも、

  • 水泳が好き
  • 特に平泳ぎが好き
  • クロールは嫌い
  • 自分のタイムがはやくなると喜ぶ
  • 人と比較されると凹む

など、どういうことが好きでどういうことは嫌いなのかを調べると、性格がわかってきます。
この子の場合、他人と争うのはあまり好きではありませんでした。
人と比較されるより、自分が早くなって記録を伸ばすほうが好きだったのです。

さあ、メモとペンを使ってどんどん箇条書きにしてみましょう。

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ABOUT US

Sym
ベテラン塾講師です。
中学受験・大学受験・大学院受験は自分が一般入試で経験。

なぜ先生をしているかというと、その人個人に合った方法を探して「できた!」と喜ぶ姿を見るのが好きだからです。

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