国語の記述ができない人がするべき、たった1つのこと

国語ができない理由を探すと色々とあるけれど、今回は「記述」に絞ってお話したいと思います。

難しく考えると長くなるので、たった1つだけずっと頭においてください。それは…

何を書くと部分点がもらえるのかを調べる

=条件の把握

です!

 

では詳しく見ていきましょう。

なぜ人は記述問題が苦手なのか?

選択式と記述式だと、選択式がいい!と答える人がほとんどでしょう。

だって、記述は何書いたらいいかわからないし、どう書いたらいいかわからない。

という声をよく聞きます。

これはちょっと書き足すと

何書いたら「点になるか」わからないし、どう書いたら「点になるか」わからない。

ということが不安だからだとわかります。

 

どうやったら記述式で点数をとることができるのでしょうか?

まずは選択式と記述式で求められる力の違いについて説明していきます。

選択式と記述式の大きな違い

わかりやすく違いを言うとこうです。

選択式

母「今日の夕飯何がいい?」
子「何があるの?」
母「カレーとハンバーグとチャーハン」
子「ハンバーグ!」

こんなやり取りと同じなのです。

  1. 昨日食べたものと今日の昼に食べたものを除く(消去法)

消去法を使って、示された中から選ぶ。

これが選択式です。

記述式

母「今日の夕飯何がいい?」
子「うーん昨日カレーは食べたし、昼はチャーハンだったし…じゃあハンバーグがいい」
母「ごめんねお肉は沢山ないのよ」
子「うーん……じゃあ何があるの?」
母「野菜と豆腐はあるわよ(中華のパックをいくつか出す)」
子「麻婆豆腐!」
  1. 昨日食べたものと今日の昼に食べたものを除く(消去法)
  2. 家にどんな材料があるのか(条件の把握)

この条件を満たす料理を提案することになるので、「条件の把握」が重要になります。

消去法の後、家にある材料から夕飯のメニューを自ら答える。

記述式はこんな感じです。

記述に必要なのは「条件を把握する力」なのです。

(選択式でも条件を把握する力は必要ですが、選択式では消去法のほうが重要です)

選択式=相応しくないものを除外する

選択式の例から見ていきましょう。

例えばこんな選択式の問題はどうでしょうか?

問 「自由奔放な妹の七葉」とありますが、その姿が具体的に表現されている箇所はどこですか。次の1から4までのうち、最も適切なものを一つ選びなさい。

1 「私と七葉は並んで聞いた。」
2 「ひそひそと話し合うこともあった」
3 「水に濡らしてみようよ、と言った」
4 「息を詰めたまま見つめていた」

出典元:平成29年度全国学力・学習状況調査 調査問題「中学校第3学年 国語B」

これは全国の中学三年生が解いた選択式の問題です。

正答率は84.5%。

よくできていますよね。

 

選択式問題で求められる力は”読む”力だと、文科省の調査にはありますけど、

ぶっちゃけ”読む”力って何?

それは、「もっともそれっぽいものを探す力」です。

選択式問題がたどり着く最難関の問題では、実は…

正解を選ぶ力よりも、相応しくないものを除外する力が求められます。

消去法とは

カレー →昨日食べた
チャーハン →昼に食べた
ハンバーグ →最近食べてない!これだ!

このように、選択式は消去法で解くわけです。

 

学力調査の問題も、自由奔放っぽい行動を選べば良いので、本文を読まなくても3であると即わかってしまいますが、

1の「並んで」や2の「ひそひそ」、4の「息を詰めたまま」は、自由奔放と反対の表現ですから、消去法でも解けるのです。

記述式=条件を把握することから始める

問 (前略)あなたなら「読書の記録」の「心に残った一文」と「感想」にどのようなことを書きますか。次の条件1と条件2にしたがって書きなさい。

条件1 「心に残った一文」は、本文中から、比喩を用いた表現が含まれる一文を抜き出して書くこと。
条件2 「感想」は、条件1で取り上げた表現について、「誰(何)」の、「どのような」様子なのかを明確にした上で、あなたが感じたことや考えたことを具体的に書くこと。

出典元:平成29年度全国学力・学習状況調査 調査問題「中学校第3学年 国語B」

今度の問題はどうでしょう?先程の選択式と同じ大問の最後に問われた問題ですが、正答率は実は42.3%…!

先程の半分しか正答率がありません。

 

今度は、「条件を把握する力」に注目して整理してみましょう。

いきなり書くのではなく、必要な条件を整理するのです。

麻婆豆腐にしよう!と言ってから冷蔵庫開けたら豆腐が無かったら困りますよね。

「条件の把握」とは、そういうことです。

設問から自分で「条件の把握」を行う

今回は条件が2つあるように見えますが、実は2つではないのです。

  • 条件1→本文中から比喩の含まれる一文を抜き出す
  • 条件2の1→「誰の」「どのような」様子を明確にする
  • 条件2の2→自分の感じたことや考えたことを具体的に書く

このようにしてみると、実は条件は3つあるということがわかります。

調査報告書でもこの3つの条件をきちんとおさえて答えられているかどうかを分析しています。

 

3条件ちゃんと入っている満点が42.3%。

ここでクイズです。

3つのうち2つしか条件を満たせていないので正解にならなかった、という人はどれくらいいると思いますか?

なんと20.5%……!!

3つ条件があることに気づかず、2つしか満たせていない人…

なにか1つ欠けている人が20.5%、つまり5人に1人もいるのです。

とりあえず何か書く、ではもったいない

改めて数字で見てみましょう。

先程の問題、回答者の割合はこうなっています。

  • 何も書いていない 13.9%
  • 3条件OK 42.3%
  • 2条件だけ 20.5%
  • 1条件のみや条件を満たさない 23.2%

とりあえず書いたが、条件を満たせなかった。

とりあえず書いたが、条件1つしか満たしていなかった。

そういう回答者が23.2%もいることがわかります。

このことからも、

何を書いたら点数になるのか?という条件の把握がとても重要だとわかるのです。

なんか書くにしたって、条件にはまることを書かなきゃ意味が無いのです。

まとめ

記述式の問題では、

何を書いたら部分点が入るのか?という条件を洗い出すことが大切!

大体の場合、条件は設問に書いてあります。

(大学受験・難関高校受験レベルになると設問には書いておらず、本文にヒントがあることも多いです)

記述を解く時の流れ

  1. 箇条書きで条件を書き出して整理
  2. 本文から条件に合うところを抜き出す
  3. それぞれの条件についてメモを書く
  4. メモを合体して回答欄に書く

こうです!

まずは条件を箇条書きにするところから試してみてくださいね。

 

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2018.03.02
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